Alter, Repair & Upcycle お直し・リメイク例 Journal 雑記

持続可能なお直し レディースパンツ裾上げ ヘム幅を再考

ワイドパンツの裾上げをしました。布の端にはロックミシンではなくてバイアステープが施されている手の込んだもので、2000円とさせていただいたものの、後になって、ああ、見積もり間違った…と後悔しておりました。4000円、がんばって3500円だったなってバイアステープを見ながら思いました。しかも、私が納期を1週間間違えてしまって、お客様が取りに来られたときに出来上がっていないという失態。(優しいお客様で、来週また来ますよと言っていただけて、本当に助かりました。)

それで、そのお客様が取りに再度来られる1週間の間に、女子高生の制服の裾上げがあったんです。

この制服をきっかけに、ちょっと思い至ったことがあり、1200円とさせていただくことにし、800円を返金しようと思います。

折り返しの長さ・制服と紳士服

制服の場合は、生地を切らないようにしてます。男性のスラックス(スーツのパンツ)は裾が長く作られていて、購入時に裾上げを一緒にすることが多いと思います。その時に、折り返しの長さは7~10㎝くらいは残すはずです。

学生服は、3年着るので成長に合わせるため。男性のスラックスは、共布を持ち歩くイメージだと思います。後でダブルにできるようにというのもあると思いますが、主に革靴を履いて歩くので、裾が擦り切れることが多くて、そのために最初に「靴擦れ」というのを施すことが多く、

靴擦れが擦り切れてきたら、新しい靴擦れを施すために、共布要員として長く折り返す部分を取っている、という。最初に購入した時にも共布をもらうこともあると思います。それがあったらそれを優先的に使います。共布は、靴擦れの他に、破れた箇所のカケハギやミシン刺しにも使えるので、なんぼあってもいいですからね。

折り返しの長さ・女性用の場合

女性のパンツスーツなどは、3~5㎝を折り返しにしていることが多いです。短くするときには、ストレートだったら5㎝くらい残して、だいたいはオリジナルの幅に合わせて布をカットします。でも、女性の場合は、なんでもともとの折り返しの布が短いのかというと、1.ファブリックコンサンプション、2.見た目の美しさ、3.女性の服を買い替える回転の速さ、などが起因するのかな?と思います。

1.ファブリックコンサンプションとは、布の消費のことです。服は、幅が決まっている布の上にパターンをしいて切って作られます。パターンを置いたときに、なるべく無駄が出ないようにカットしたほうが1着でも多く作れて、1着当たりのコストを抑えることが望めます。

2.見た目の美しさについては、折り返した部分は多少外に響くというか、なんとなく折り返してる部分が見える時もあります。それがもともとのデザインを崩すこともあるかもしれません。あと、女性物はパンツがストレートでない場合が多くて、テーパードとかフレアーとか、折り返しが長いとそれに合わせるの大変だから、切った方がお直しはしやすいってのもある。

3.女性の服を買い替える回転の速さについて、女性服は男性服と比べて多種多様のデザインがあって、代わりになる洋服が手に入りやすいというのがあります。

持続可能なお直し

それで、やっと本題になりますが、このお客様のパンツは生地が上等で、裾の端もキレイにサテンのバイアステープが施されていて、3㎝短くするので、7㎝が折り返す長さになります。紳士服ならよくある長さです。

女子高生のプリーツスカートは切らなかった。紳士服のパンツだっていっぱい折り返しある。このお客様のパンツだって切らなくていいんじゃない?って思いました。

どこか破れたときには共布になるし、もし、メルカリやフリルなどでリセールすることがあるなら、オリジナルの長さがあった方が売りやすいと思いました。

あれ?もしかして、こういうバイアステープが施されてるものは、そもそも切らないのかもしれない…。

というわけで、シングルの1000円にワイドパンツなのでプラス200円の1200円に変更することにしました。

以前バイトしたお直し屋さんでは、レディースは5㎝、メンズは7㎝~10㎝!と決まっていたので、それを見習って崩さずにきました。これからは、レディースの裾が二つ折りになっているストレートパンツは、努めて裾を切らないお直しをしようと思いました。

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