スラックスのウエストの出し、詰め。好きなお直しのうちの一つです。というのも、スーツのパンツ、スラックス、英語だとsuit pants, dress pantsと呼ばれるパンツは、ウエストのお直しがやりやすい作りになっているからです。この後ろ中心で出したり詰めたりするウエスト直しは、お直し初心者もすぐに出来るようになると個人的には思います。
2025年9月現在、当店ではこのスーツパンツ、スラックスのウエスト詰め・出しは2200円(税抜)ループがあれば+200円(税抜)、中心が割れてるやつは+200円(税抜)です。お直しが初めてのパンツで、±4~5㎝のウエストのお直しができると思います。伸びる前カンというのもあって、これはウエストの前に付ける器具(+1.5㎝)があるのですが、それは1000円(税抜)です。ちなみにこれらパンツのファスナー交換は2400円(税抜)です。(今後、各種値上がりのため料金変更すると思いますが、年内はこのままの予定です。)
私にはソーイングパートナーのOさんというすんばらしい協力者がいるのですが、簡単なほつれ修理、パンツの裾上げ、スラックスのウエスト詰めや出しの注文があれば、Oさんに委託します。Oさんはお直しを始めて3年くらい。お直しを本業に日々作業しているわけではないので、Oさんが苦手なものがあれば私がやります。
今回うけたスラックスのウエスト詰め、中心にベルト通しが縫われているスラックスでした。Oさんはこのループ、ベルト通しを縫い付けるのが苦手なんですね。なので、分業にして、最後のベルト通しを縫い付けて縫い閉じるところは私がやることにしました。
大きく詰めた時の縫い代の浮き
品物をOさんから引き継いだ時、Oさんから質問がありました。
大きく詰めて、縫い代が大きくなると、縫い代が浮いたような感じになる。こういう時はどうしたら良いか?という質問でした。
カジュアルなパンツだとある程度切ってしまうのですが、スーツは出したり詰めたりを繰り返すことが多いので、切らないことが多いです。
でも、縫い代が広くてテント張ったみたいになり、お尻に食い込む感じになっちゃう。そいういうとき、私はこうします。

縦に広がるようにする

ベルト部分のウエストとつながっているところを縫い解いて、縦に広がるようにします。(写真左側)
解く前に、解きすぎないように、解くまでのところをミシンで重ねて縫って留めます。それから解く。そして、中がごわつかないように、指でならしながら整えます。
そして、出しでも詰めでも行うのですが、重なったウエストの縫い代部分がズレないようにする処置をします。(写真右側)
ウエスト部分、右側の内側のマーベルト(腰裏)とウエストの布をぎゅっとつかんで、外側を左方向に皮を剝くような感じで傾けます。マーベルトの端をドッグイア―のように折ってからベルト部分がズレないように縫い留めます。縫い代の広さによっては反対側はやらないときも。3㎝以上あったら私はやる。
仕上げの手縫い
最後のマーベルトを手縫いで閉じる作業では、いつものように真っ直ぐ横に縫わず、お尻の縫い代をアイロンで広げて、つっぱらない位置で縫います。
右側の縫い代の端から左側の端まで縫いますが、もし仕上げの手縫いで表の布まで縫っちゃうなら…。
何度もやってると針先の感覚で布を何枚触ってるか分かってくると思うのですが、そんな感覚掴むまで修行してる時間が無い!というお忙しい方、間に指を入れて物理的に縫わないようにする方法はいかがでしょうか?

縫い代の下に指を入れて縫う。
感覚がよくわかんないとか、焦ってるときなど、利き手側の表布を一緒に縫っちゃうことがあるかもしれません。
もう、真ん中スタートで2回縫うといいんじゃないかな?と思います。一気にやりたい?・・・急がば周れっていうじゃん。いつも時間に追われてんのに、横着してやり直しになったらストレスじゃん。そしたらちょっと手間でも確実にできる方法でやった方が、やり直すストレスよりいいかもしれないってわたしゃ思うよ。

上の写真の左側、黄色い点線はこれくらい下げました、の目安線です。
これでお尻が詰まる感じは軽減されると思います。