Alter, Repair & Upcycle お直し・リメイク例

紳士スラックス ウエスト出し

紳士スラックスウエスト出しの紹介です。

紳士スラックスのウエスト出しは1890円。
今回承ったウエスト出しは、センターバックにループがついていたのでプラス210円。
合計で2100円です。

今回のスラックスは少々注意点がある代物でした。

まず、素材。コーデュロイ/コールテン。

コーデュロイ素材のものは、詰めるのはいいのですが、出すとなるとNGな素材です。

スチームあてたりアイロンをかけたりブラシをかけても、どうしても縫い跡が取れないので、出した部分の縫いあとが目に見えてわかってしまうんです。

逆三角形に縫いあとがあるのわかりますかね?

自分でもちょっとしつこいかな?って思うくらいに、そのことをお客様には説明して、それでも良いと強くご希望されたので今回承りました。

仕上がりを見てがっかりされるかも…と心配しておりましたが、満足していただいて、ウェブで紹介することも快諾していただけたので、紹介いたします。

  1. センターバックのループをとる
    出すときも詰めるときも、ここをほどくところから始めます。

    ループの下のところ、とりやすいように、内側から糸をカットして、ループとります。
     
  2. 印つける
    ここで以前お直しされてることに気が付く。
    (もっと前に気が付いてもよかったんですけど、ちょっとボーっとしてたかも。)問題はお直し2回目ということではなく、「縫いズレ」があるということ。
    気持ちはわからなくはないです。 コーデュロイは縫いズレしやすいので。
    ベルト部分と途中のお尻あたり、5mm~7mmの縫いズレがありました。

    ちなみに、もともと新品で売られていたときにもうズレてたんじゃないの?というお声もあるかもしれないので、どこの部分を見て、以前お直ししてたとわかるかを 紹介します。
    一般的に紳士スラックスはチェーンステッチで縫われていることが多いです。
    出したり詰めたりすると、センターバックをベルトからお尻線を縫い直すので、クラッチ手前くらいで ステッチが違うのが見えます。また、コーデュロイですので、縫いあともうっすら見えました。

    と、それはさておき、めいっぱい出したいとのことでしたので、まず、ずれてる縫い代を正してから縫うことにしました。
    縫い代を1cmぎりぎりにし、仮縫い。
  3. 縫う
    さらに縫いズレしないように、コレ使います。正式名称はないと思ひまふ。
    これは、大きいダンボールをまとめるのに使われるような固いテープみたいなやつをカットしたものです。これを押えと布の間に挟んで、このテープを指で押し出すように縫っていくと、上と下の生地にイーブンに力が加わってずれることが少ないと思います。

    あとは、ベルトの部分、きれいに十字になってるか確認して、OKなら2度縫いして、もとあったステッチをほどきます。お直し2回目以降なので、今回は、チェーンステッチのピロピローができません。生地を傷めないよう、ちょっとずつ下糸部分を切って、ひっぱって抜いて・・を繰り返してほどきます。
  4. ループつける
    一旦アイロンかけてから、ループつけ戻します。

    ①上の端縫う ②上の内側縫う
    ③下の端縫う ④下の内側縫う

  5. フィニッシュ!
    まず、中心を合わせてズレないように、縫い代をぎゅとつかんでくるっと返します。
     
    今回はループがあるので、1cmくらいベルトの中心線と平行に縫います。
     
    まつり縫いでここを閉じます。


    最後にアイロン。
    ここは、コーデュロイをつぶさないように、スチームアイロンをたっぷりかけます。
    ちょっとブラシもかけてみましたが、やっぱり縫いあと取れませんでした。がくっ。orz...
    でも、お客様は特に気になされてないご様子で、満足していただけてよかったです。

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