男性のスラックス、スーツのパンツのお直しをするときは「靴擦れ(くつずれ)」についてつけるかどうかをお伺いします。
「靴擦れ」とは、スーツのパンツ裾の内側、かかと部分に縫い付ける布です。革靴などでかかとが破れるのをこのテープ状の布が防いでくれます。
シングルは1000円、靴擦れを付ける場合はプラス400円です。
それで、「靴擦れ」は英語でなんて言うんだろう??と思い、調べてもなかなか出てこなくて、英語圏の人に聞きました。
私の聞き方がめちゃくちゃ回りくどいから、答えてくれた方々も混乱したに違いありません。申し訳ない。突然の異国人からの質問メッセージ。お忙しいのに親切に返信してくださって、本当に嬉しいです。
質問させていただいた方々
写真を送って、できる限り親切にこれ英語でなんていうの?と聞ききました。
身近なところから、恩師のサルーソー先生(アメリカ)
「私は見たことがないわ。でも素晴らしいイノベーションね!」と返信してくれました。アメリカにないののかな?でも、クチュールは先生の専門じゃないからご存知ないのかもしれない・・・なんて思い、スーツを作っているアメリカのブランド、ラルフローレンの(日本の)ホームページからお問い合わせでにスーツに靴擦れはついてますか?とメールしてみましたが、まだ返信はいただけておりません。返信あると嬉しいな。。
インスタグラムのフォロワーさんに質問(イギリス)
私のインスタは、同業の方のフォロー&フォロワーさんが多いです。海外のお直し屋さんのは英語の勉強にもなるので、積極的にいいね!押したりフォローさせてもらったりします。私のことをフォローしてくれているUKのお直しを生業にしている方や企業にメッセージを送らせていただきました。
The Zip Yardさん ホームページによると、UKに16店舗(2022年4月現在)あり、ドライクリーニングもされているそうです。難しいダウンジャケットなど、なんでもお直しもしてくれるそうです。
The Zip Yardさん 返信くれました!めっちゃ優しい!UKのチェーン店のお直し屋さん。日本ではクリーニング屋さんが表でお直しが付属である印象ですが、ジップヤードさんでは、お直しが表で付属でクリーニングのような感じなのかな?イギリスにお住まいのみなさん!洋服のお直しはジップヤードさんが親切で、インスタ見ててもお上手でお勧めです!
Whatstandwell Bridge, Derbyshire, UK イギリスのワットスタンドウェルで洋服のお直しやオーダーメイドを受けているそうです。ウェディングドレスのお直しもできて、テーブルクロスやクッションカバー、ハローウィンのコスチュームなどのオーダーメイドも受け付けてくれているとのこと。
stitch.maker's Sewing Emporium さん 返信くれました!もう忙しそうだったのにありがたい!!イギリスのワットスタンドウェルにお住まいの皆さん!洋服のお直しはステッチメイカーズさんが親切でインスタ見ててもお上手でお勧めです!
フォローされていない、私だけがフォローしてる方にも聞いてみたのですが、こちらは返信がありませんでした。フォローしていない人からのメッセージは、メッセージを受け取る許可とか承認とかをする必要があるらしく、スパムメールかなにかに思われたかもしれません。ごめんなさい!(思いよ届け~~!)
スラックスの裾にある「靴擦れ」は英語で…
スラックスの裾にある「靴擦れ」は英語で「tape(テイプ)」「kick tape(キックテイプ)」と言います。
"We call this tape - internal to the trousers." と返信をくれたのは the zip yardさんインスタはこちら。英語で説明すると、a tape that/which is internal to the trousers になるんでしょう。(返信本当に嬉しかったー!ジップヤードさんが未来永劫モリモリ儲かりますように!)
私はここで、そうそう!テープ!!テープってのが出てこなかったわ~・・・・とテープという単語を思い出させてもらいました。そこで、いただいたフレーズとテープを組み合わせ「tape internal to the trousers」で検索しました。これがキーとなり、「kick tape」というものに遭遇。
参考にした記事:Ask the tailor: What's the difference between bias binding and kick tape? これはバイアステープとキックテープの違いについて書かれた記事。キックテープはバイアステープのように伸びない素材のようです。
日本では、裾の縫い代を利用して、共布で靴擦れを作ります。イギリスには専用のテープがあるそうで、一見、綾織テープのようなポリエステルの織テープでした。
そこで、さらにたどり着いたのは、仕上がりの種類についての記事:Why are there so many different types of trouser hems
- Blind Hem →普通の仕上げ。ここでは5㎝のallowance(縫い代:折り返した部分)をとっているようです。日本はメンズは最低でも7㎝は残すんじゃないかな?どうだろ。私は残せるなら10㎝は残すようにしてます。
- Blind hem half tape→かかと側だけにテープ。これは日本の靴擦れバージョンに状態としては近いですね。
- Blind hem full tape→ぐるっとフルで施すのもあるんですね。
英語のプライスリストを作るのに参考にしようと思いました。
「あて布」は英語で…
「あて布」は英語で「blocking material」と言います。
ついでに聞いたのではありません。私の回りくどい聞き方と写真の撮り方の悪さが功を奏して、このフレーズを教えてもらいました。
"If you are repairing a tear, then we say that is blocking material." と返信をくださったのはstitch.maker's Sewing Emporium さん。
さらに、参考URLまで教えてくれました。親切…。彼女に良いことが100個くらい立て続けに起きますように…!
参考URL:How to Mend Frayed Pants Hem
参考URLを見ながら、あ・・!これではないのだけど…、おお!でもこれは「あ・て・ぬ・の!!」と興奮。
そして、教えてもらったURLのとこの人は、こうやって直すんだ~とやり方の参考にもなりました。ジグザクミシンは持ってないので、見てたら欲しくなりました。
ちなみに、「a tear」 は「やぶれ」、「Frayed」は「擦り切れ」です。
まとめ
親切な方々のおかげで勉強になりました。お直し用語も覚えるのは大変ですが、それを英語で?となると調べるのが本当にむずい。きっかけとなる単語やフレーズがわかって芋ずる式に情報を得ることができて、他の単語も知れて良かったです。
学んだ英単語やお直しに関わる単語紹介
- 靴擦れ a tape, kick tape
- 靴擦れ付きシングル Blind hem half tape
- あて布 blocking material
- オーダーメイド(イギリスでは) bespoke
- 補修 mending
- 補修する to mend, to repair
- 擦り切れたパンツの裾 frayed pants hem
- やぶれ a tear
また機会があれば洋服のお直しに関わる英単語集みたいなの作りたいなーって思いました。