ここ3週間、私はがんばりました。
結婚式用チーパオ(チャイナドレス)のリペア
以前、採寸だけしたご注文。採寸したデータを入力してオーダーすると、ドレスが送られてくるという画期的なシステム。このドレスが出来上がってくるまで、お客様も私も楽しみにしていたのですが、届いたらなんと不具合が。
- 背中がやけに長く、たわんでしまっている
- 刺繍が切れ切れ
BEFOREの背景がとっ散らかっていてわかりづらい。まず、ファスナーが首の上まで上がらない。首が緩い。背中がぼこっと出てる。袖も緩い。計測は、お客さまとも一緒に項目を確認しながら、3回も時間かけてやった。通常クチュールだと、メジャー、型紙作る、シーチングで作る、フィッティング、型紙修正、シーチングで作る、フィッティング、OKなら本番の布で作る、という流れで、間をすっとばすこのシステム、そんなことできるんだ!すごーい!って思ったのですが、やっぱりお直しは必要でした。
でも、ドレスのフィッティング以前に、この全身に縫われている刺繍パッチが特に残念だったんですね。
ところどころ切れてる。糸が薄いところもある。
切れてるところが1個や2個とかの話でなくて、1パッチにもれなく2個以上はある。
なんでしょう。なんかSDGsとかなのかな?デッドストックというより、クオリティのせいで使われなかったものでは?って感じで、見るたびに新しい切れた部分が目に入って、リペアにとんでもなく時間がかかりました。
下記、メモ
12月3日(土)1回目フィッティング→どこを直すか確認 (1h)
12月6日(火)2回目フィッティング→1回目に合わせて仮縫い(6h)
12月8日(水)仮縫い (4h)
12月9日(金)3回目フィッティング→2回目の結果からさらに細かく調整(1h)
12月11日(日)刺繍リペア+お直し(5h)
12月12日(月)刺繍リペア(3h)
12月13日(火)刺繍リペア(4h)
12月14日(水)刺繍リペア(11h)
12月15日(木)刺繍リペア+お直し(14h)
計49時間 1時間1500円で計算しました。(通常のお直しは1時間2400円で計算しています。)1500円x49時間だと73500円ですが、9時間はロスタイムにして6万円とさせていただきました。なんで細かく書いたかと言うと、インボイスを作る必要があったので、計算しつつ、ついでにブログにも書いとこー作戦です。交渉術に長けたお客様で、相手にミスを認めさせ、リペア代をメーカー側に持たせる約束を取り付けたそうなんですね。すごくないですか?おかげで安心してお直しできました。
こんなたくさん時間を費やしたお直しは初めて。49時間を1日8時間勤務として単純に割ると、6日稼働していているので、神奈川県の最低賃金1,071円をかけて、人件費としては最低でも51,408円は必至で、経営のこと考えたら人件費x3倍の15万くらいが世の中的な適正価格では?と思っていて、私の普段の計算1時間2400円では12万円くらい。いくらメーカーにリペア代を請求できるとはいえ、500ドルだったということは、1ドル135円として67,500円だったドレスを10万で直すって、なんか逆にこっちがぼったくってるみたいに思われない?ってもう心配しかなくて、経営にむいてないわ~って思いました。
子供を家で見ながらの仕事は無理
そして、子供いながら家で仕事って、難しいどころか無理だなーって理解しました。
昼間は、例えば子供(1歳3か月)が昼寝の時間に作業できそうですが、これはもう運。運です運。子供の昼寝とはトリッキーなことに、30分~1時間ぐらいで一度起きて、その時に私が視界にいないと、泣く。その後はもう寝ない。その一度目を覚ました時に私が視界にいて、よしよーしとしてるうちに2度寝する。そしたらラッキー。2時間くらいは寝てくれることもある。一人で遊んでくれたらそれはすっごく助かりますが、そんなことしてくれることはなくて、視界に私が入っていても、ゲート1枚挟んだだけでやんややんや訴えて、最終的に泣く。とにかく私の足の間に挟まりたいか、外に行きたい、階段上りたい、引き出しの中は調査したい。それはそれでかわいいのですが、かわいいがゆえに仕事にならない。
なので、作業は信じられないくらい早く起きてやるか、寝静まった後の夜中にやるか。信じられないくらい早く(3時とか漁師さんみたいな起床時間)だと、なんだかんだ家事(洗い物と掃除)をしてしまって、作業しようと思うころには普通の朝(5時とか)になっちゃう。ので、寝静まったときを狙うと、子供が9時に寝たとして、結局12時くらいまでは洗い物と掃除してお風呂入って、そこから朝までやるとか。
睡眠時間がなくなって、頭も働かなくなって、同じようなミスを繰り返すし、接客にも言語障害が出てくる感じ。アポなしで来られるお客様とか、2週間欲しくても、3日後どうしてもとか言われると断れないし、うそでしょーって思うくらい寝ない数週間でした。
この赤いドレス、結婚式で着られる予定とのこと。12月16日に旅立つってんで、12月3日に来られて、12日後の15日までには絶対仕上げる必要があったんですね。私もある程度適当にやればよかったのですが、なんかせっかく結婚式に着るんだから、出来る限りクオリティを上げたい!って思って。
このドレスの前も、コロナも落ち着いて(?)衣替えの時期と、めちゃんこ嬉しいお客様の口コミのおかげもあって、ご注文やお問い合わせが集中して、にっちもさっちもいかず、サポートセンターというところに登録してたんです。ちょうどこのドレスのタイミングでベビーシッターさんが来てくれることになったのですが、シッターさんが来てくれるのは週に1度だけ。一時保育も空きはないし、登録すらも受け付けてもらえないところもあって困りました。背に腹は代えられず、このお客様にも刺繍のほどきを手伝ってもらったり、お客様のハズバンドさんも呼んで、私の作業中に子供の相手をしてもらいました。ある意味、新しい形かもしれないって思いました。ベビーシッターしてもらう代わりに私が作業して、そうすると、ベビーシッター代を差し引いた金額を払ってもらうことが適正価格になるのかな?
一度、私設の保育園に6時間預けたことがありました。送り迎えの時間が往復1時間で、実質稼働できる時間が5時間。お問い合わせの返信もしながら、事務作業もちょこっとして、その時は8千円のお直しの仕事して、保育料に8千円払って、なんだかなーって思った。子供が4歳になる年には保育園に預ける予定で(3歳になる年の翌年から保育料が無料)、それまでは、家で見ながら仕事したいけど…。子供見ながらだと、せいぜい1日3~4時間がマックスかも。(しかも、それは夫が朝ご飯係と寝かしつけ係をやってくれるから成立すること。)
やりたいことリスト
それでこの新しい出会いもあって、お直しの仕事をすることにした経緯を話す機会がありました。ベビーシッターの方と、チーパオ(チャイナドレス)のお客様。お客様と一緒に刺繍パッチのほどきをしながら、なんでこのお直しの仕事を選んだの?って質問を受け、大学に入った経緯から、帰国後のブラック企業の話、それからビジネスオーディションに受かって、さらにラッキーなことにミシンも手に入った、以前借りてた物件や今の借りてる物件など、運命だと思った話をしました。その中で、色々思い出したり思い付いたりして、できるかわかんないけど、アイディア書き留めときたい。
- 洋服のお直しの英語対日本語ダイアログを作りたい
- 洋服のお直しの価格についてまとめた記事を書きたい
- なんでお直しをしようと思ったか記事を書きたい
- イージーパンツのウェブオーダー
- 子供服の型紙
ダイアログは、洋服のお直しを注文するときの会話をシチュエーション別?アイテム別?にしたもので、例えば、「裾上げお願いしたいです、もうちょっと短く、長く」など、洋服のお直しでよくある会話を日本語と英語で書き出して、旅行ブックみたいなの作りたい。というのも、服がどうしたらフィットするかを、頭の中で服を分解するところなど思い描いたりしつつ、他のお客様とのスケジュールも考え、急ぎがあったりなんかがあって、さらに英語で話さないといけないとなると、頭パンパンでパニックになるので、あらかじめ文章を準備しておきたいなって。なんならWEBで公開しといて、私ができない時とか、全国の英語で洋服のお直しオーダーしたい人が、このダイアログを持って通常のお直し屋さんに行けば、お互いに理解してるというのを確信できる状態でオーダーできるようになったら素敵じゃない?って思ったという。
お直しの価格について、どうやって決めているかなど細かく書きたい。人件費、家賃、光熱費、消耗品、1アイテム何分で出来ていくらか、みたいな。適正価格とは何かを考えたい。
なんでお直しをしようと思ったかを改めて考えることで、将来の計画も立てたい。あと、難しいのよくできるねとかおっしゃっていただくことがあって、つい、難しいことはなくて、めんどくさいことをこなしていく感じなので、と説明しちゃうんですが、語弊があると思って。難しいって思っちゃうと、私はもうできなくなっちゃう気がして、変なこと言ってるんです。自分の脳をだましてるというか、難しいんじゃない、一つ一つ理解すればできる、って、ティモンディの人みたいに「やればできる!」と常に脳に言い聞かせてるので、難しいって認めたくないんですね。あと、お直しは忍耐だと思っていて、でも、本当に嫌だったらやってなくて、嫌じゃないからやってるんだってことは言いたいというか。めんどうなこと頼んでごめんなさいって思って欲しくないので、自分でも納得いく内容でまとめたい。
イージーパンツのウェブオーダーは、実はビジネスオーディションで語った内容でもあったのですが、ずっとさて置いてしまったもの。S~3L、各サイズのイージーパンツサンプルを用意して、試着してもらい、お客様希望のサイズに必要があればちょこっと修正加えて、お客様持ち込み生地でイージーパンツを作る感じのやつ。でも、オープンしてすぐぐらいに、とある企業から心電図を測ることのできるウェアのサンプルを作るという注文を受けて、なにその近未来的なやつ!と思って、そちらに食いついてしまい、イージーパンツ企画は置いとかれました。その近未来サンプル作成は10年くらいやって、コロナを機に注文なくなったので、あらためてイージーパンツウェブオーダーを再企画しようと思いました。チーパオのウェブオーダーを参考にして、反省点もよく考えて仕組みを作りたい。でも、子供保育園に預けるころになったら細かく考えたい。先の話。
子供服の型紙というのは、下着と長袖Tシャツが一緒になってるの便利だなって、それの型紙作りたいってずーっと思っている。子供服の型紙を厚紙で作りたいって。思いついた時に、さっと古着に置いて、ペンでなぞっちゃう。切ったらすぐ縫う、みたいな感じにしたらリメイクしやすいんじゃないかと思って。型紙ピンでとめるがハードル高いし、そもそも型紙を切るのもハードル高いっていうか。サイズ別に作ったウェア、厚紙の型紙もウェブで販売したいなって。子供が小さいうちにやりたい。できるかなー?
長くなっちゃった。ということで、今年もあとわずか、とにかく残りのオーダー縫いたいと思います。