今年に入ってから、私が倒れても業務が進むようにしたいと思って、洋服のお直しが出来る人を募っています。(ご経験者の方、月に1回でもいいので助けて欲しいです。誰かいませんか~!!!)
知人の紹介で、やってみたい!という貴重な方にお会いし、月に何度か来ていただいて、私のできうる限り、洋服のお直し方法を伝授する努力をしています。(細かいことに気が付く勘のいい方なので、私より上手になると思います。早くたくさん習得していただいて、私がいつ倒れても大丈夫な状態になりたいです。)
それで、その方と道具の話になりました。お直しでよく使うアイテムがあったら教えて欲しいとのことで、ざっと集めてみました。
日々当たり前のように使っていた道具でしたが、よく考えたら確かに、お直し独特のアイテムなどもあるかもしれません。これでなくてはならない!というものでもありませんが、まず道具も基本中の基本と思い、せっかくなので、私がよく使ってる洋服のお直しに欠かせない小道具を紹介します。
よく使うアイテム7選
ハサミやテープメジャーの他に、珍しがられたり、手芸好きな人でも持ってないかもしれない、よく使うアイテムを紹介します。マーカーが引いてあるものは、私が特に気に入っているものです。ちなみに、テープメジャーには、0スタートとそうでないのがあって、私は、0スタートのテープメジャーを好んで使っています。
- おススメの目打ち
- 竹尺20㎝・30㎝・60㎝・1m
- 三角チャコ&超便利!自作するチャコ代用品
- 鈴付の待ち針・仮止めクリップ
- アイロン仕上げ馬・袖万
- アイロンあて布になるカバー
- アイロン両面接着芯&ピンセット&クッキングシート
7選のついでに補足で別アイテムも紹介しています。とりあえず、これは無いと困るな~と思うものをピックアップしてみました。
目打ち
目打ちはとにかくよく使います。お直しの作業は、おおよそ、縫い目を解くことです。
縫い目を解く時は、徳を積んでると思ってやると嫌な気持ちにはなりません。(以前、アメトークでみたパチンコ芸人の回で、出玉のためにゴミ拾いなど日々徳を積んでるというあるあるを聞きいて、「徳を積む」というワードを気に入り、何かと徳積んでるって思うようにしています。)
話を戻すと、縫い目を解く際には、目打ちを使います。
リッパーは使わないのですか?と質問を受けたのですが、私はお直しでリッパーは使ったことはないです。リッパーは間違って生地を裂いてしまう可能性が非常に高いので私は使いません。お客さんのものを間違って裂いてしまったら?と想像しただけで血の気が引きます。
目打ちにも色々あります。
私の一番使いやすい目打ち。それは、買ったものではなく、受け継いだものです。
夫の実家がかつて仕立て屋さんだったのですが、そこで職人さんが使っていたという目打ちです。
先っちょが斜めにとがっていて、でも、先は丸くなっているので、縫い目が拾いやすく大好きです。
どこで販売されていたかも情報がなく、探しても見当たらないので、一生大事に使おうと思う道具の一つです。
次にお気に入りなのが、白い持ち手の「クローバーなめらか目打ち」。
これも先がなめらかに丸くなっています。
クローバーさんには、他に、赤い持ち手と木の持ち手の目打ちがあります。
それらに比べて、この白の持ち手の目打ちは、長くて細いので、縫い目を拾いやすいです。
私の一番目打ちとクローバーさんの目打ち3種と比べてわかったのですが、私は長いのが持ちやすくて好きみたいです。
竹尺
竹尺は20㎝をよく使って、次に30㎝、たまに60㎝を使います。自分で買ったものもありますが、おおよそ受け継いだものです。
ちなみに、〇〇cm詰めるとなったら、細い5mm幅のマスキングテープを竹尺の〇〇cmのところに巻いて使っています。
フレアスカートやドレスの裾は、とにかく長いんですね。印をつけながら、まだある…って、くじけそうになるくらい長いと、私は、途中でわかんなくなったり、微妙にずれたりすることがあります。長い時間、「○○cm」を念頭に置きながら作業するのが本当にしんどくて、この方法を思いつきました。
マスキングテープで定規に印をつけておくと、長さを一定に保てて、頭を使わず若干ですがストレスが軽減し、間違いも減ると思っています。
でも9㎝とか10㎝とかだと、逆に持つことがあって、むしろ間違えることがあるので要注意です。
マスキングテープを抱えているのは、スガイさんの紙でできた自然にも子供にも優しいマキングテープカッターです。
紙でできたマスキングテープカッター(スガイワールド)
2組セット 480円(税抜)
竹尺の他に、方眼定規も良く使います。でも、方眼定規と60㎝の竹尺は、パーカーリメイクでよく使うので、他のお直し屋さんではそんなに使わないかもしれない。
三角チャコ & 超便利な自作アイテム!
三角チャコはわりと持ってる人がたくさんいるかと思っていたのですが、そうではないことを知りました。三角チャコはお直し屋さんでよく使われるアイテムだと思います。
三角チャコは、使っていくうちに、線が太くなってきたり、キレイに線が描けなくなるので、シャープになるように削ります。
私は、大きいチャコ削り器を使っています。これも受け継いだものです。似たような商品はネットで探すと販売されています。
最近インスタで、ピーラーを使って削ってるのを見て、それはいいね!と思いました。
で、何が、超便利な自作アイテムかというと、
石鹸で作るチャコの代用品です!!!
私は、月に2回くらい、お直しを学びに横浜の方へ通っているのですが、そこで使われていました。先生に、このチャコはどこのチャコですか?とお伺いしたら「石けんよ。」と教えてくれました。
石けんチャコは、自作と言っても、使って薄くなった石鹸を乾燥させたものです。
先生は、和裁の学校に通ったことのあるそうで、先生の先生に教えてもらったそうです。
非常に滑りがよくて、アイロンで消えます。テロテロした裏地に線を引くときは、三角チャコではガッガッガとひっかかって、真っ直ぐな線を引くのは難しいのですが、石鹸だと、あら不思議。スルーーーーーっとキレイに引けて本当に感動します。これを知ってから作業が随分楽になりました。メッシュの生地やジョーゼットやサテン生地にもよかった。
私も体を洗うのに石鹸を使っているので、薄くなったら次の石鹸に重ねず、乾燥させることにしました。ロウチャコよりも滑りがよくて、後に残りにくいです。石鹸は無添加のものが良いと思います。また、ロウチャコは黒い生地だと少し跡が残って見えるのですが、石鹸だと私が見る限りそういう跡は見えませんでした。
鈴付の待ち針&仮止めクリップ
鈴付の待ち針は、前にバイトしていたお直し屋さんで使っていたのをマネしています。振れば音がなるので、お客さんの洋服への針混入を防ぐのに良いです。
待ち針の他には、仮止めクリップを使っていて、これは持ってる人は多いかもしれない。
アイロン 仕上げ馬
スラックスの裾上げはよくあるお直しです。
裾にアイロンをかけるのに、仕上げ馬をよく使います。
万十(まんじゅう)・袖万(そでまん)というのもあります。
写真の、手前左側、小さめの仕上げ馬をよく使います。
その隣にあるのが袖万です。サイズは8号(32cm×9cm)。女性用のジャケットなど、細い袖口に使います。
仕上げ馬は、小さいの1台あると便利と思いますが、値段は6000円前後。袖万は送料込みで3000円くらい。台が付いていたほうが使いやすいので、両方あったほうが良いとは思いますが、予算が・・ということなら、最初は袖万だけあってもいいかも。
あーでも、私だったら、先が細く、レディースのジャケット袖も入る小さくて細い仕上げ馬を買うかな。
アイロンのあて布になるカバー
アイロンをかける時に、あて布するのめんどくさくないですか?
そんな時に便利なのが、このアイロンカバーです。
私はNAOMOTOのキューイングというアイロンとアイロンバキューム台がセットになっているものを使っているので、ナオモト専用のカバーを使っていますが、家庭用のアイロンでも使えるものがあります。
アミロのアイロンセイバーは固めなので、使いづらいわ~という方にお勧めなのが、布製のアイロンマスクです。
お直しでなくても、普段のアイロンがけにも使えるので、とにかくお勧めのアイテムです。
アイロン両面接着芯&ピンセット&クッキングシート
洋服のお直しだと、ミシン刺しも多いのですが、その時によく使うのがこのセットです。ミシン刺しとは、薄くなったところに、後ろからあて布をして、ミシンで細かく縫いたたいて補強するお直しです。
お直ししたい箇所の裏に、あて布をして、表側からミシンをかけます。なので、あて布をした時に、両方の布の目を合わせたいので、ずれないようにあて布をアイロンでくっつく両面接着シートで部分的にくっつけます。
あて布の端に、少し切り取った接着シートをのせたら、クッキングシートをかぶせてアイロンをかけると、あて布だけに接着されます。別面はクッキングシートで保護されているので、クッキングシートを剥がして、裏返してお直しの箇所にそのあて布を乗せ、アイロンをかけてあて布を接着します。
クッキングシートはお料理にも使えるので持っている方も多いかも。30㎝くらい切ったら、それ、ずーっと使えます。
ピンセットは、小さく切った接着テープをつまむのに便利です。他にも、短い糸を結ぶのにも重宝します。あと、ロックミシンやスクイ縫いのミシンの針に糸を通すのにも使っています。
まとめ & 他にも
7選と言っといて、それ以上のアイテムもありましたね。全部揃えるのは大変かもしれません。
個人的には、目打ち・竹尺・三角チャコは必須アイテムとして持っておいて欲しいです。
お直しに関係なく、アイロンのあて布カバーは本当に持っていて損がないと思うくらいお勧めです。
石鹸チャコは、三角チャコを普段頻繁に使う人にお勧めしたいです。
他にもたくさんあります。
- とじ針 → ロックミシンの空環をとじるのに使います。他にもミシン糸をとじる時もあります。
- 毛抜き → 解いた糸を取るのに使います。
- 水で消えるチャコペン → 白い生地にたまに使います。紫よりもピンクが早く消えるのでピンク派です。
- 水を入れる筆 → 水で消えるチャコペンを消すのに使います。
- チャコ消しペン → これは、三角チャコを消すときに使います。三角チャコは、共布でこするとだいたいは消えますが、たまに消えにくい時もあるので、その時はこのチャコ消しペンを使います。
- カミソリ → リッパーは使わないけど、カミソリはたまに使います。デニムなどの厚い生地のステッチを解くのに使います。リッパーと何が違うかと言うと、リッパーは、先っちょがするどいので、布に刺さりやすいし、勢い余って布に刺さって余計なとこ裂くことあるんで、ほんと怖いんですよ。剃刀は、自分の方向に引くので、勢い余って~~というのが起こりにくいです。死なばもろとも、じゃないけど、お客さんの代物が勢い余って切れたら、自分も切れるでしょう、的な。まあでも、その血液がお客さんの服についたらさらに最悪ですけどね。
- ローラーカッター → 作業台にビニールのカッティングマットを敷いてからよく使うようになりました。それまでは、固いカッティングマットで、カットするときに生地がズレやすかったのであまり使ってませんでした。ビニールの柔らかカッティングマットと大変相性がよいです。
- 木槌 → デニムの裾上げに使います。厚く重なりあったところを叩いて叩いて縫いやすくします。
- レース編み用の鍵針 → ちょっとしたほつれ直しに使います。
- 芯地 → これも良く使います。袖口を詰める時、当店ではパーカーのジップアップリメイクに使います。
- 文鎮 → ドレスやワンピースなど作業台に広げたときなどなどに使います。
- ソフトルレット → 部分的な型紙を作るのに使います。
- 方眼紙 → 型紙作るのに使います。
- シリコンスプレー → スパン糸とか、滑りが悪いなーってときに使います。目飛びを防止したりする効果もあります。
- 染み抜きスプレー → ミシンのオイルが付いてしまったときなどに使います。めったに使わないです。
- 輪じみクリーナー → 上のスプレーで輪じみがついてしまったときに使います。出番は2~3年に1回あるかないか。
- ほつれ止め液 → 布の切れた端をほつれないように固める液です。
- ほつれ補修針 → これは便利。糸が表に出てしまったちょっとしたホツレに使います。
思いつく限りリストアップしてみました。なくてもいいものも含まれていますが、私が使う、持っていると安心するアイテムなどです。参考になったら嬉しいです。(長かったですね。話をいい感じにコンサイスする能力がとにかく欲しいですっ。)